雪の積もるバラ Iceberg<アイスバーグ>
交配:Robin Food x Virgo
作出:1958年 Kordes ドイツ
系統:F(フロリバンダ)
特徴:満開時は雪が積もったかのような純白の花がたくさん咲き、開花速度もスピーディーで雪がとけるかの如く散っていきますが、次から次へと開花するので長期間楽しめます。あまりシュートが出てきませんので古枝からたくさんの枝を出すように仕立てます。耐病性も強く無農薬に近い形で栽培できますが、雨の多い時期は黒星病の予防をしたほうが良いです。今でも多くの方がお庭に植栽して楽しまれているロングセラー品種です。
”育種から見たアイスバーグ”
自分がまだ交配に挑戦する前の話。アイスバーグは不稔性で種をつけない。種をつけても発芽しないなどという話をよく聞きました。それは常識的に我々に浸透しているようでしたが自分はどうにも納得いきませんでした。何故ならイギリス、デビッドオースチンがこのアイスバーグからイングリッシュヘリテージという品種やグラハムトーマスという品種を作出しているからです。
イングリッシュヘリテージ
グラハムトーマス
イングリッシュローズと総称されるデヴィッドオースチンの作品はアイスバーグからの品種が基盤となり広がっていったのです。
自分はとりあえず、アイスバーグの交配に挑戦することにしましたが、普通に結実するし普通に発芽します。
ただ品種として優れた株が本当に出てきません。アイスバーグからイングリッシュヘリテージやグラハムトーマスのような優れた品種を作出した事が本当に素晴らしいなあと思いました。デヴィッドオースチンはどんなにダメな子が産まれてもアイスバーグという才能を信じて交配し続けたのです。
自分もずっとアイスバーグ交配を続けてようやく面白いバラがでてきました。緑色のバラです。このバラから改良をしてさらに完成度の高い緑のバラを開発しようと考えてます。
育種は信じる事。
この記事へのコメントはありません。